ITフリーランスと労災保険

ITフリーランスと労災保険

《厚生労働省労働基準監督局長通達 令和3年8月3日 基発0803第1号 抜粋》

労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)において、労働者以外の者については労災保険の強制加入の対象とはなっていないが、第83回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会建議(令和元年12月23日)において「・・・社会経済情勢の変化も踏まえ、特別加入の対象範囲や運用方法等について、適切かつ現代に合った制度運用となるよう見直しを行う必要がある。」とされ、雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)に係る衆議院附帯決議において「特別加入制度について、・・・社会経済情勢の変化を踏まえ、その対象範囲や運用方法等について、適切かつ現代に合ったものとなるよう必要な見直しを行うこと。」とされ、また、成長戦略実行計画(令和2年7月17日閣議決定)において「フリーランスとして働く人の保護のため、労働者災害補償保険の更なる活用を図るための特別加入制度の対象拡大等について検討する」とされた。

これらを踏まえ、労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会において関係団体からのヒアリング及び当該ヒアリングを踏まえた議論が行われたことを踏まえ、特別加入制度の対象として、下記の事業及び作業を追加又は新設することとした。

(1)加入対象作業

情報処理システム(ネットワークシステム(※1)、データベースシステム(※2)及びエンベデッドシステム(※3)を含む。)の設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理若しくは情報処理システムに係る業務の一体的な企画又はソフトウェア若しくはウェブページの設計、開発(プロジェクト管理を含む。)、管理、監査、セキュリティ管理、デザイン若しくはソフトウェア若しくはウェブページに係る業務の一体的な企画その他の情報処理に係る作業

※1 コンピューターネットワークで、コンピューターを有機的に運用できるようにしたシステム。

※2 大量のデータを周辺機器に組織的に格納し、コンピューターを介してデータの要求があれば提供し、また適時データの収集と更新を行うシステム。

※3 組み込みOS。家電製品、携帯電話、産業機械などが内蔵するコンピューターを制御するオペレーティングシステム。

(2)加入対象者

労働者以外の者であって、(1)に係る作業を行う者(この通達において「ITフリーランス」という。)を加入対象者とすること。具体的には「ITフリーランスの職種とその内容例」の職種及びその他類似の情報処理に係る作業に従事する者が想定されるが、当該特別加入者の承認に当たっては、職種を限定するものではないため、業務内容等の実態をみて判断すること。ただし、「ITフリーランスの職種とその内容例」以外のPCを利用した一般的なデスクワーク業務を作業として行う場合やいわゆるIT講師と呼ばれる職種については、その作業様態が(1)とは異なるため、加入対象とはならない。

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